子ども会の広報にAIを導入した結果と大学生ボランティアとの検証

さい子ども会では、「子どもたちがとことん楽しめる居場所づくり」と同時に、「関わる大人が無理なく、スマートに続けられる運営の仕組み」の構築を進めています。

今回は、地域のボランティア組織において大きな負担になりがちな「SNS広報」を、AI(Gemini)を活用してDX(デジタルトランスフォーメーション)した事例をご紹介します。

実際に運用を変えてみた結果や、現役大学生ボランティアとのLINEでの検証、文章のBefore/Afterまで、舞台裏を公開します。

1. 導入の背景:理系医療職のスタッフが抱えた「広報の壁」

さい子ども会の運営を担う代表は、本職が理系の医療技術職です。 日頃の業務で求められるのは「100%の客観性」と「正確なデータ」であり、感情を豊かに交えた叙述的な文章(エモい文章)を作る機会は皆無でした。

さらに、50代の男性スタッフということもあり、InstagramなどのSNSで若者や保護者層に「見たい」と思ってもらえるような、絵文字を交えた親しみやすい文面をゼロから作成することには、非常に高いハードルを感じていました。

とはいえ、助成金の報告や、地域への活動周知のためにSNS発信は不可欠です。毎回、多大な時間とエネルギーを費やしながら、やや硬めの文章を投稿し続けている状態が課題となっていました。

2. AIの活用:Geminiによる専用アプリの作成

そこで、生成AI(Gemini)を活用した効率化に踏み切りました。 単にチャット機能を使うだけでなく、子ども会の活動内容(事実ベースの箇条書き)を入力するだけで、自動的にInstagramに最適なトーン&マナーに変換してくれる専用のAIアプリ(プロンプトを組み込んだ仕組み)を独自に構築しました。

このアプリに「今日は◯◯様からお菓子をいただき、みんなで分け合った」等の簡易な事実を入力したところ、スタッフの手からは決して生まれない、温かみがあり読みやすい広報文章が「一瞬で」生成されるようになりました。

3. 実証と検証:4年目の大学生ボランティアとのLINE

この「AIが生成した文章」が、既存のフォロワーや若い世代にとって不自然ではないか、4年間活動を手伝ってくれた大学生ボランティアさんに協力を仰ぎ、実際のLINE上で検証を行いました。

以下は、その際のやり取りです。

【LINEでのやり取り(2026年5月)】 運営(代表): 「おつかれさま〜 ちょっと意見を下さい。最近、さい子ども会のインスタ文章、AIに作ってもらんでるん。内容、違和感や不自然なとこがあったら教えて下さい」

大学生ボランティア: 「おはようございます!AI活用中ですね!また見させてもらいます✋」

(数日後)

大学生ボランティア: 「インスタみましたーー!4月あたりからですかね?AIに入ってもらってるの🤭 絵文字とか詳細とかあって分かりやすいと思います!ほんとに強いて言うなら、『こんにちは!さい子ども会です』を入れるか入れないか統一するぐらいですかね?笑」

運営(代表): 「ありがと〜 そのくらいからかな?そうそう、俺では絶対に書けない文体は、Geminiが作ってくれてます(笑)」

4月からAI文章に切り替わっていたことを見抜かれる鋭さはありつつも、「絵文字や詳細があって分かりやすい」という、現役大学生からの客観的なお墨付き(合格点)を得ることができました。

4. 広報文章のBefore / After と効果

実際に、スタッフが作成していた「導入前」と、自作AIアプリが作成した「導入後」の文章の比較です。

❌ 導入前(スタッフ作成):客観的だが、SNSとしてはやや硬い

今日手伝ってくれた子ども達には、DAGASHIで世界を笑顔にする会様から頂いた駄菓子もプレゼント。3/12のだがしの日は平日なので、ちょっと先取りして配らせて頂きました。

https://www.instagram.com/p/DVmzrYjEXWr/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

⭕ 導入後(AIアプリ作成):華やかで、当日の空気感が自然に伝わる

✨みんなでワイワイ!笑顔あふれる1日になりました✨

5月24日は、さい公会堂で「さい子ども会フリースペース」「お楽しみ会」「懇親会(ご飯会)」を開催しました!

🍭 フリースペース&お楽しみ会 今回は岡山市社会福祉協議会様からいただいたお菓子を、みんなでシェアして楽しみました!「みんなのお菓子だから、考えながら取ろうね」と伝えると、しっかり譲り合って食べる子どもたち。みんなの優しい姿に、運営側もとてもほっこりしました😊 (※ハッシュタグの選定まで自動化)

https://www.instagram.com/p/DYzdbVZkWR4/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

このリニューアルの結果、Instagramのインサイト(閲覧数や反応率などの数値)も抜群に向上しました。データとしても、AI導入の有効性が証明されています。

5. 結論:効率化によって生まれた「一番大切な時間」

広報の文章作成をAIに任せたことで、これまで1回あたり30分以上かかっていたデスクワークが、わずか5分に短縮されました。

私たちがこの効率化(DX)によって得た真の価値は、作業時間の削減そのものではありません。「広報の文章作りに追われる心理的ストレスから解放され、その分、現場の子どもたちのリアルな姿にじっくり目を向けられるようになったこと」です。

事務作業の負担が減ったことで、先日の活動中も、

「拾った鳥の羽根と砂を使い、にこやかに動物の骨を磨いている中学生女子」

という、子どもたちの自由でユニークな好奇心の瞬間に立ち会い、一緒に面白がる心の余裕が生まれました。こうした「笑いの絶えない賑やかな時間」に寄り添うことこそが、地域の居場所にとって最も大切なことだと考えています。

「大人はシステムを使って賢くラクをして、その分、子どもたちと全力で向き合う」

さい子ども会は、これからもテクノロジーを味方にしながら、関わる大人も笑顔で続けられる「持続可能な地域コミュニティのモデル」を実践・発信していきます。

💡 さい子ども会からのお知らせ

私たちの「負担を減らして、地域の繋がりを増やす」運営の工夫や、ICT・プラットフォームを活用した地域デザインの取り組みに興味のある事業者様・他団体の皆様からの、コラボレーションや協賛・お悩みのご相談も大歓迎です。「さい子ども会への連絡」からお気軽にお声がけください!

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